うみ映画メモ

94生まれ都内勤務。ふとした時に映画で旅してます。

退屈な日々にさようならを

 

 

 

「退屈な日々にさようならを」

 

 

監督・脚本は「サッドティー」や「知らない、ふたり」の今泉力哉さん

映画専門学校 ENBUゼミナールのワークショップから生まれた作品。

昨年も短期間上映されていましたが、4週間にわたる再上映が土曜日から始まっています。

どちらも新宿のK's cinemaにて。

 

 

私がこの映画を知ったきっかけは、好きなラップユニットchelmicoの曲が劇中で使われていること。

ただそれだけの前情報で、去年1度見に行きました。

これほど小さな規模の映画を見るのは初めてで、K's cinemaに行くのも初めてで、

この映画を見ること自体は当時の私にとっての"非日常"で。

とてもわくわく、緊張しながら見に行ったのを覚えています。

でも、映画を見て感じたことは、紛れもなく"日常"に密接してて。

どこか懐かしいような風景とか、登場人物に共感する部分があったり、はたまた自分にはないものがそこにはあったり。

日常の特別を見つけた気がして、しばらく興奮が収まりませんでした。

 

 

そんなわけで今回この映画を見るのは2度目でしたが、見て思うことはたくさんありました。

一貫して言えることなんて何もない、でも確実に自分の中で感じるものがある。

日常は自分の"普通"が詰まった場所で

時には全てがどうしようもできないことのように思えて、毎日がつまらなく感じてしまう。

でも、この映画を見た時に、普段自分が"普通"だと思っていることって、実はそうじゃないんじゃないかって。

当たり前なんかないんじゃないかって。

そんなことを考えてたら、自分の日常が愛おしく思えてきて。

凝り固まった思考が解きほぐされていく感覚。

こういう映画に救われることがあるように、いろんなものがあっていいと思える。

私にとって明日への自分の糧になる映画です。

 

 

内容ももちろんですが、出演している俳優さんが皆さん素敵で、パンフレットもかなり気に入っています。

「小さい映画」だからこそできることってたくさんあるんだなと知りました。

パンフレットに載っている監督インタビュー、燃え殻さんのコラム、シナリオ、カネコアヤノさんの劇中歌・主題歌の歌詞、

すごく愛情に溢れた作品で、それらに触れられたこと、幸せに思います。

 

 

 

 

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映画『退屈な日々にさようならを』予告編