退屈な日々にさようならを
「退屈な日々にさようならを」
監督・脚本は「サッドティー」や「知らない、ふたり」の今泉力哉さん
映画専門学校 ENBUゼミナールのワークショップから生まれた作品。
昨年も短期間上映されていましたが、4週間にわたる再上映が土曜日から始まっています。
どちらも新宿のK's cinemaにて。
私がこの映画を知ったきっかけは、好きなラップユニットchelmicoの曲が劇中で使われていること。
ただそれだけの前情報で、去年1度見に行きました。
これほど小さな規模の映画を見るのは初めてで、K's cinemaに行くのも初めてで、
この映画を見ること自体は当時の私にとっての"非日常"で。
とてもわくわく、緊張しながら見に行ったのを覚えています。
でも、映画を見て感じたことは、紛れもなく"日常"に密接してて。
どこか懐かしいような風景とか、登場人物に共感する部分があったり、はたまた自分にはないものがそこにはあったり。
日常の特別を見つけた気がして、しばらく興奮が収まりませんでした。
そんなわけで今回この映画を見るのは2度目でしたが、見て思うことはたくさんありました。
一貫して言えることなんて何もない、でも確実に自分の中で感じるものがある。
日常は自分の"普通"が詰まった場所で
時には全てがどうしようもできないことのように思えて、毎日がつまらなく感じてしまう。
でも、この映画を見た時に、普段自分が"普通"だと思っていることって、実はそうじゃないんじゃないかって。
当たり前なんかないんじゃないかって。
そんなことを考えてたら、自分の日常が愛おしく思えてきて。
凝り固まった思考が解きほぐされていく感覚。
こういう映画に救われることがあるように、いろんなものがあっていいと思える。
私にとって明日への自分の糧になる映画です。
内容ももちろんですが、出演している俳優さんが皆さん素敵で、パンフレットもかなり気に入っています。
「小さい映画」だからこそできることってたくさんあるんだなと知りました。
パンフレットに載っている監督インタビュー、燃え殻さんのコラム、シナリオ、カネコアヤノさんの劇中歌・主題歌の歌詞、
すごく愛情に溢れた作品で、それらに触れられたこと、幸せに思います。